トラウマという言葉は、いろいろなところで耳にするようになりました。
トラウマというのは、心的外傷(心の怪我)のことです。心の傷は、目には見えません。しかし、いろいろな症状で、そこにあることを教えてくれるものです。
例えば、あなたは寝つきが悪かったり、夜中に悪夢を見たり、何度も目が覚めたりすることはありませんか?
何でもないようなことで動揺したり、心臓がどきどきしたり、怖くなったり、涙が出てきたりすることはありませんか?
また、気分が落ち込んだり、自分は無力だと感じたり、価値のない人間だと思ったりすることはないでしょうか。
これらは、実は、過去にあった出来事が心の傷となって残っていて、その傷が回復していないからなのかもしれません。その出来事は、思いだすとつらいことだったり、時にはすっかり忘れてしまって思いだせないこともあるのです。でも、「身体はトラウマを記録する」(ヴァン・デア・コーク)ので、言葉で説明できないのに、反応が身体にあらわれているのかもしれないのです。
いやいや、私はトラウマなんてないよと思った方は、次の質問にチェックを入れてみてください。
□どんなきっかけでもそのことを思いだすとその時の気持ちがぶり返す
□イライラして怒りっぽくなっている
□ものごとに集中できない
□そのことは考えないようにしている
□そのことを思い出させるものには近寄らない
□その時の場面がいきなり頭にうかんでくる
□そのことについての感情はマヒしたようである
これらは、トラウマの傷があると起こりやすい症状です。(IES-R 出来事インパクト尺度の中からピックアップ)これらの項目に心当たりがあれば、もしかするとあなたのつらさはトラウマによるものかもしれません。